水と文化
- 薬味ねぎ
- 2023年2月19日
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水路
奈良の御所まちで昔の水路を見た。御所(ごせ)まちは大和葛城山(やまとかつらぎさん)の麓、近鉄御所駅の程近くに位置する。真ん中の川を挟んで東西に町が別れていて、伝統的な建物群と当時の水路が今もはっきりと残る。昔からの水路が町内に張り巡らされ、家屋の真下を通る「背割り下水」も見ることができる。駅で配布していたマップには当時の地図や建物のイラストも載っていて充実していた。
玄関前を流れる川
住宅街を歩いていると玄関前に川が流れている家をよく見かける。ネットで検索すると用水路らしい。確かに周囲を見渡すと田んぼがある。それにしても家の玄関から橋がかかっている様子は初めて見たとき驚いた。誤って転落しそうで怖い。
宗教と橋
皇室の先祖とされる天照大御神を祀る伊勢神宮。正式には神宮と言うが、そこへは五十鈴川(いすずがわ)に架かる宇治橋を渡って参拝する。宇治橋は参拝者が内宮に足を踏み入れる入り口で、俗世と聖域を繋ぐ役割を持つ。現世とあの世を分かつ三途の川では六文を払って船に乗るが、伊勢神宮へは参拝料無しで入ることができる。(無料で見れるとは言っても気持ち程度に賽銭は納めよう)
伊勢神宮は内宮と外宮に分かれているが内宮は特に広いので境内の自然を眺めながら歩くのも楽しかった。神聖な川とされる五十鈴川では手や口を清めることができるが、寒すぎたので見るだけにした。
城の掘
これも川といえば川。ある晴れた日ぶらぶらと城跡の周辺を歩いていると不自然に整った川が流れていた。城の近くであることからどうやら掘だと分かったが、なんとなく自分の中で城の掘は城壁に沿って作られるものというイメージがあった。当時の地図があったので見てみると堀の内側には「土居(どい)」という土塁が設けられていたらしい。穴を掘って出た土を土塁として利用していたそうだ。現在そこは道路になっていた。
城を守る堀にも外堀、内堀とあって今回自分が見たのは外堀ということだった。
七里の渡し
名古屋から桑名を繋ぐ「七里の渡し」は伊勢湾を船で渡る東海道唯一の海路として知られる。桑名を訪れた日は雨が降っていて駆け足で見に行ったので長居できなかったが、船着き場や伊勢国一の鳥居、常夜灯、櫓、明治初期から続く旅館など当時の面影を見ることができた。(旅館は泉鏡花の「歌行燈」に登場しているそう)昭和34年の伊勢湾台風の被害のため現在、船着き場跡には堤防が築かれている。
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